こんにちは増田ひとし通信です。2017年11月9日に訪問した松伏町都災害援助協定を結んでいる新潟県湯沢町と湯沢町にある道の駅「みつまた」を視察した。その時の報告を掲載する。
【視察目的】
湯沢町は本町と2012年10月4日に遠隔地の自治体として初めての災害援助協定を締結している。また、「湯沢町交流事業宿泊補助金制度」や「湯沢ウォーキング」などの交流事業も行って来ており、2017年5月19日には、本町に湯沢町議会の産業建設常任委員会、総務文教常任委員会の方々の行政視察の訪問も受けている。自民クラブでは行政視察を行うことにより、議会としても湯沢町との交流が一層深められることを期待しての視察でもある。
今回は、湯沢町の住民要望から取り組み始めた道の駅「みつまた」を視察し、本町で予定している「道の駅」の構想に役立てる。
また、少子高齢化の中で、明日を担う教育環境整備のため、全国でも珍しい保・小・中一貫教育の取り組みについて視察し、松伏町でも直面している少子高齢化の対策の事例として学び役立てる。
【視察内容】
1. 湯沢町
1) 道の駅「みつまた」
【経緯】
昭和41年に清津川ダム建設の予備調査が始まり、賛否両論の議論が長年交されて来た。最終的には平成14年に中止と決まったが、地域にはこれまでの検討で疑心のみが残され、41年間に及ぶ苦しみを味わう結果となった。町では48項目の要望項目が受け入れられ、その中の2番目として国の制度の中で「道の駅」が作られ、観光の要として成功している。
【施設】
① 東京大学堀先生からアドバイスを頂き、駐車スペースより古民家風の建物と日本庭園風の池などの外観を重視したデザインとなっている。館内に足湯があり、また温泉が隣接しておりスキー客など国道
17号線の通行客が立ち寄りたくなる施設となるよう工夫されている。
② 農産物や県内のお土産品を取り揃えたり、本格的な登山用品も取り扱って、特徴を出している。
③ 規模は決して大きくはないが、地域の特性を生かすとともに、「一時避難場所」として、地域防災施設も隣接させている。
【管理者】
三俣未来町づくり協議会を指定管理者としている。4町内16人で構成され、2年ごとの交代制としている。
2) 湯沢学園
少子高齢化の中で、明日を担う子供たちの教育環境整備のために平成27年4月に、従来あった小学校5校、中学校1校を統合した「湯沢学園」を開校した。翌平成28年4月からは4つの保育園を同じ場所に統合して認定こども園とし、全国でも珍しい保・小・中一貫教育を施す教育体制がスタートした。総工費は51億円を投じている。人口8,163人(平成29年3月末現在)の町として、子育てにかなり大きな投資をしているといえる。
当町は、水力発電施設建設による固定資産税収入の増加などにより、昭和54年から普通交付税の不交付団体となり、さらにリゾートマンションの建設が固定資産税収入に貢献して、平成9年には税収が過去最高の65億6千万円に達したこともあった。その後、年々減少して平成28年度では37億9千万円まで減少し、平成24年に交付団体となったが、財政力指数は平成26~28年度の3ヶ年平均で0.991となっており、財政力のある自治体である。
保育園、小学校の統合によって地域から学校がなくなるとの反対もあったが、子を持つ親たちは賛成であったとのこと。小学校1年生から中学校3年生までの運動会にも地域から反対があったが、新卒の男女の先生の活躍で素晴らしい体育祭となった。きちんとした魂を入れられるかどうかが成功の秘訣とのことであり、教育設備の充実、特色ある教育で全国に誇れる学園を目指している。
3) まとめ
道の駅「みつまた」は百名山苗場山の麓にあり、また谷川連峰へのトレッキングの玄関口の位置にもあたって立地条件が良い。この立地を生かした登山客のニーズに合わせた本格的な登山製品や、新潟県内の特産品も取り揃えている。館内には足湯温泉もあり、レストラン、カフェもある。温泉施設も隣接している。施設規模は、決して大きいとは言えず小規模な道の駅であると思えるが、施設のデザイン、取扱商品、陳列方法など十分参考になる。
保・小・中一貫教育の湯沢学園の開校は、人口減少の中ではあるが、生産年齢人口確保の観点から「若者が生活の場として選択するまち」を掲げ、首都圏から新幹線で通勤可能な交通環境を生かして、若者が首都圏で働きながら定住するライフスタイルを提案し、「働く」「住む」「子育て」を支援する「移住定住促進プロジェクト」を展開する施策の中の一つである。
施設が非常に豪奢であることは、財政力の点で同調できにくい面があるが、生産年齢人口の確保を目的として、交通の利便性を活かし、首都圏から定住するライフスタイルを提案した「移住促進プロジェクト」を展開することによって、「働く」「住む」「子育て」を支援していく施策は当町でも参考としたいところである。
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